データ読込中
背景画:歌川広重『象頭山遠望』
こんぴら狗
江戸時代、庶民は旅行を禁止されていましたが、神仏への参拝の場合はその限りではありませんでした。
数ある神社仏閣のなかでも、伊勢神宮への参拝の旅は特別で、庶民にとって一生に一度の夢であり、「お伊勢参り」と言われました。
それに並び「丸金か京六か」と言われ、讃岐の金毘羅大権現(今の金刀比羅宮)と、京都六条の東西本願寺への参拝の旅も人生の一大イベントでした。
当時、江戸を中心とした東日本の各地からこれらの社寺への参拝の旅は大変なことで、当人に代わって旅慣れた人が代理で参拝に行くことがありました。これを「代参」と言いました。
旅を途中で諦めることにした人が、道中で知り合った旅人に旅費と初穂料(お賽銭)を託し代参してもらうこともあったようです。
金毘羅大権現への代参で有名なのが森石松です。清水次郎長(山本長五郎)の代わりに参拝し、預かった刀を奉納したと伝えられています。
実は、代参をしたのは“人”だけではなかったのです。「こんぴら参り」と記した袋を首にかけた犬が、飼い主の代参をすることもあったのです。
袋には、飼い主を記した木札、初穂料、道中の食費などが入っていました。
犬は、旅人から旅人へと連れられ、街道筋の人々に世話をされ、目的地にたどり着いたのです。
金毘羅大権現にたどり着いた犬も、そんなのどかな風習により立派に務めを果たしたのでしょう。この「こんぴら参り」の代参をした犬は、特に「こんぴら狗」と呼ばれたのです。
授与品「こんぴら狗」
神札授与所では、こんぴら狗の置物や絵馬、おみくじなどを用意しています。
掛軸「金毘羅狗図」
所蔵: 金刀比羅宮
作者: 平林春一
道中のこんぴら狗の様子を描いた掛軸です。
銅像「こんぴら狗」
湯村輝彦さんがデザインしたこんぴら狗の銅像が境内にあります。場所は高橋由一館の前です。
絵本「走れゴン」
多田とし子 (著), 湯村輝彦 (著)
出版社: フレーベル館 (1994/01)
ISBN-10: 4577008459
ISBN-13: 978-4577008454
発売日: 1994/01
こんぴら狗の旅は実際どのようなものだったのでしょうか? そんな想像が絵本になりました。
単行本「こんぴら狗」
「第58回日本児童文学者協会賞」受賞
「第65回産経児童出版文化賞産経新聞社賞」受賞
「第67回小学館児童出版文化賞」受賞
今井恭子 (著), いぬんこ (装画・挿絵)
出版社: くもん出版 (2017/12/13)
ISBN-10: 4774327077
ISBN-13: 978-4774327075
発売日: 2017/12/13
主人公は雑種犬のムツキ。ムツキは「こんぴら狗」として、江戸から金毘羅参りに向かうことになります。波乱に満ちたムツキの旅と、道中での出会いと別れ。ムツキの旅を応援し、ムツキの金毘羅参りにささやかな祈りを託す人々の温かさを描き出します。
Twitter
昔の暮らしや文化を調べるクリエイター、笹井さゆりさんのツイートのイラストがとても解りやすいです。
(C) KOTOHIRA-GU 30-Jul-2023 17:25