「表現の現場」(講談社現代新書)

「表現の現場」(講談社現代新書)

2003年4月20日、金刀比羅宮の文化顧問である田窪恭治の本「表現の現場」(講談社現代新書)が出版されました。

田窪が文化顧問に就任する際のエピソードや琴平山再生計画についても述べられています。

講談社現代新書

「表現の現場」

田窪恭治 著: 本体 840円

発行年月日:2003年4月20日

サイズ:173×112mm :222ページ

ISBN4-06-149661-1

内容紹介

「林檎の礼拝堂」から新しい現場へ

北斎、マチス、ピカソ、ル・コルビュジェ、絵巻物、洞窟画……そしてタクボ!!

作家がいなくなった未来においても生き続ける表現の現場こそ、私がめざす「風景芸術」なのだ。

若冲の部屋――私が画家になったのは、少年の頃の不思議な体験がきっかけだった。……白日夢のような、その時の感覚が忘れられなくて、いまだに私は、あっち側(闇)とこっち側(光)の境界をさまよっているような気がする。その不思議な空間は、四国こんぴらさんの奥書院にある『百花の間』である。秋の日の午後、ひんやりとした空気のなかで、薄暗い部屋の壁に、じっと目を凝らすと、金砂子の背景から、紅い椿や白い菊、梅や山百合、朝顔や鉄線、紫陽花や向日葵などなど、色鮮やかな自然の花が、暗い闇のなかから湧き出して、私の目の前に、次々とその姿を現す。私は座っていた6畳の畳の床からふわふわと浮きあがり、沢山の折花とともに、重力を失ったまま宇宙をさまよっているような錯覚をおぼえた。……この部屋に花の絵を描いた画家は、京都、高倉錦小路の青物問屋、桝屋の長男として1716年に生まれた伊藤若冲(じゃくちゅう)である。――(本書より)

目次

第1章 プロローグ――あるいは田窪恭治の軌跡

第2章 線と眼差
1―アンリ・マチス
2―線について
3―葛飾北斎
4―浮世絵から印象派へ、そしてピカソ
5―カスパール・ダヴィット・フリードリッヒ

第3章 未完成
1―ル・コルビュジェ
2―ジョット・ディ・ボンドーネ
3―アントニオ・ガウディ

第4章 封印された時
1―ラスコーの洞窟画
2―ローマングラス
3―ポンペイ

第5章 東西絵巻
1―バイユーのタピストリーと日本の絵巻物
2―縦・横・斜め

第6章 風景芸術
1―エジプト
2―オランダの不思議
3―琴平再生計画

田窪恭治(たくぼきょうじ)

1949年生まれ。多摩美術大学卒業後、国内外の画廊や美術館などで発表多数。1989年から1999年まで実施した『サン・ヴィゴール・ド・ミュー礼拝堂再生プロジェクト』により「芸術・文化勲章オフィシェ」(フランス)、「村野藤吾賞」(建築)など受賞。著書に『林檎の礼拝堂』―集英社。

2001年、金刀比羅宮文化顧問に就任。現在、『琴平山再生計画』を実施中。

白書院「椿」制作

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Friday, May 19, 2006 9:38:05 PM