 |
|
大原謙一郎
大原美術館理事長
クラレ副社長、中国銀行副頭取、岡山経済同友会代表幹事など歴任。
現在、大原美術館理事長、倉敷商工会議所会頭、倉敷芸術科学大学客員教授などを務める。経済界での活動とともに、近著「倉敷からはこう見える〜世界と文化と地方について」に示されるように、21世紀におけるさらなる文化の重要性と、各地域が独自性を発揮した多様で豊かな日本の姿の現実を説く。
「瀬戸内のあたたかい風」
瀬戸内の空気はやわらかく、そこに吹く風は暖かい。その空気に育まれ、風につき動かされて、多くのものがここで生まれ育った。古くは万葉時代、往来する朝臣や防人はこの地で深い思いを歌に託した。源平の時代には美しい平家納経が残された。仏教界不世出の天才弘法大師空海も、画聖雪舟もここで生まれ育った。その後も、この地は、この国の文化と経済を支える多くのものを生み出し続けた。このロマンを、なんとしても次の世代に引き継いで行きたいと思う。
|
|
 |
|
川勝平太
国際日本文化研究センター教授
早稲田大学政治経済学部教授を経て、平成10年より現職。故小渕首相主宰「21世紀日本の構想」懇談会の中心的メンバー。
歴史の大きな枠組みについて常識をくつがえす斬新な「文明の海洋史観」を提唱し注目を集める。また、21世紀の日本文明にふさわしいビジョンとして「富国有徳」を唱え、美しい国土を持つ世界に誇りうる日本列島、庭園の島(ガーデンアイランズ)構想を提唱している。
「瀬戸内海への想い」
ヨーロッパの文化を育んだのは地中海ですが、日本の文化の揺りかごになったのは瀬戸内海です。日本は「山の国」といわれますが、「海の国」でもあります。「海の日本」を体現しているのが瀬戸内海です。日本の景観は美しく、富士山は「山の日本」の景観美を代表し、「海の日本」の景観美は瀬戸内海に代表され、それは世界でもっとも美しい内海です。
|
 |
|
高階秀爾
大原美術館館長
東京大学教授(現在、名誉教授)、国立西洋美術館館長などを歴任し現職にいたる。
レジオン・ドヌールシュヴァリエ勲章、日本芸術院賞など受賞、受章も数多い。美術を中心に幅広く古今東西の文化を対象にした研究を行い、著書も多数。また美術館と地域社会との関わりについても積極的な提言を行う。
「きらめく光〜瀬戸内に寄せる思い」
瀬戸内海についての私の最初のイメージは、きらめく光である。私は幼稚園を終わるまで、高松で育った。東京の小学校にはいってからも、父が勤めていた高松には、夏休みごとに戻っていた。こまかな記憶は遠い靄のなかに消えているが、連絡船から見た輝く海の印象だけは鮮明に残っている。大原美術館と金刀比羅宮との文化交流展を企画したのも、この明るい光に誘われたからであったのかもしれない。自然の恵みと歴史の思い出に満ちたこの光の海は、また新しい文化を生み出す豊饒の海ともなるであろう。
|
|
 |
|
田窪恭治
美術家・金刀比羅宮文化顧問
フランス、ノルマンディ地方の礼拝堂「サン・ヴィゴール・ド・ミュー」の再生プロジェクトでフランスの芸術文化勲章を受章。
美術家・金刀比羅宮文化顧問として、昨年の「平成の大遷座祭」をはじめ様々な文化事業に携わり、「琴平山再生計画」を進行中。
「クスノキと風景芸術」
瀬戸内海地方で生まれ育った私が現在、美術家として風景芸術を志向し「琴平山再生計画」を実施している理由は、「信仰」と「文化」を二本柱に”21世紀のニューこんぴらさん”を目指す、金刀比羅宮宮司 琴陵容世氏に招聘されてのことである。私は21世紀は神と自然と人間が三位一体となって生きてゆく、当たり前の生活を取り戻す時代になるべきだと思っている。その意味でもクスノキ林を特徴とする琴平山の原生林は、生気にあふれる日本人の心の古里だと言っても過言ではないだろう。
|