金刀比羅宮 | 旭社保存修理事業「第1回報告会」
旭社令和の大改修プロジェクト
ハーフウェイセッションpart1
〔金刀比羅宮旭社保存修理事業(調査工事)報告会〕
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令和8年5月21日[木]、13:00~13:30まで、旭社の保存修理事業の報告会の第1回を開催しました。
昨年度(令和7年度)から始まりましたこの事業は、180年前に建てられた旭社を文化財として永く後世に残し、多くの崇敬に応えるために、約18年をかけて行う保存修理です。
旭社 令和の大改修プロジェクト
御奉賛のお願い
今回の第1回報告会は、金刀比羅宮の学芸課の職員と、文化財建造物保存技術協会の方が、事前に申し込まれた参加者の皆さまに、旭社を外側から見学していただきながら報告する形式で行いました。
簡単ではありますが以下に報告内容の要約を記します。
報告会は今後、毎年開催する予定です。
報告内容の要約
調査工事
現在進めている工程である〝保存修理の基本設計をまとめる作業〟について。
大きな課題① 〜 仮設の覆い
屋根を外した際の雨対策としても、旭社の全体を隠せる大規模な仮設の覆いが必要になります。
台風や地震に耐える丈夫なものにしなければなりません。
大きな課題② 〜 工事車両
大量の資材や大型の重機を搬入するため、仮設の道路が必要になります。
境内は、国の名勝・天然記念物に指定され、瀬戸内海国立公園に含まれ、鳥獣保護区や保安林でもあるため、仮設の道路はそれらを保全して設置しなければなりません。
大きな課題③ 〜 耐震補強
復元と同時に耐震補強が必要になります。
現在、旭社の実測と構造の診断はほぼ終わり、得られたデータにより今後、構造設計を行いますが、復元と耐震補強を両立した構造にしなければなりません。
雨漏り
2階で雨漏りを確認しています。
シロアリ
シロアリの大きな巣があることを確認しています。
昨年1年間の調査で
興味深かったこと
旭社の屋根の銅板は、落成時は黒色に塗装されていた可能性があることがわかりました。
銅板に墨で書かれた文字が見られますが、黄金色の新しい銅板に目立つ黒色の文字を残すとは考えにくいので、上から黒色に塗装される(=文字が見えなくなる)ことを見込んで文字が書かれたと思われます。文字が何を意味するのかはまだ不明です。
旭社の設計が始まった当時、屋根を銅板ではなく瓦にする案もありました。今も残っている瓦の見本は黒色です。つまり、設計段階で屋根の色は黒色にすることに決まっていた可能性があります。
旭社(当時は金堂)の落成は弘化2年〔1845〕ですが、その36年後の明治13年〜14年〔1880〜1881〕に写実的な作風の高橋由一が描いた「琴平山遠望」に見られる旭社の屋根は黒色です。明治の初めまでは旭社の屋根は黒色であった可能性があります。
その後の大正4年〔1915〕の竹内栖鳳「大正度 主基地方風俗歌屏風」に描かれた旭社の屋根は黄金色です。
このことから、落成から36年〜70年後に屋根の銅板の黒色の塗装が失われたのではないかと推測されます。
もし黒色に復元するとして、江戸時代の銅板より純度が高い現代の銅板を同じように黒く塗装できるのか検討しています。
彫刻
旭社の南側に川の動物の彫刻、北側・東側に海の動物の彫刻が見られます。瀬戸内海は旭社の北側であることと関係があるのかもしれません。
配付資料
当日、参加者の皆さまに配布しました資料です。
当日の様子
調査工事の報告
調査工事の報告
旭社の現状の説明
彫刻の説明
彫刻の説明
質疑応答
別室で資料映像もご覧いただきました。
(C) KOTOHIRA-GU 22-May-2026 15:54